イラストの制作にIllustrator(イラレ)を使っています。
当初はネットの情報を拾い集めて自己流でイラレを操作していましたが、まとまった数のイラスト素材を作る機会があり。
やはり基礎ができていないからか色々と限界を感じ、井上のきあさんの『Illustrator Japan Method』という本を買いました。
これは大変役に立ちました。
古い本ではありますが、この本は①イラレの操作に不慣れな方、②ストックイラストを頑張りたい方に、非常におすすめな一冊だと思います。
実践しながら和のモチーフを作れる
この本の良い所は、いきなり実践で和のモチーフを作りながらイラレを学べる点です。
実はもう一冊イラレの入門書を買ったんですが、こちらは辞書的な印象。
イラレとは何たるかを物凄く丁寧に解説してくれている本です。こちらも試し読みが可能なので、ぜひご覧になってみてください。
ただ、この本を1ページ目から順に読んでいったところでイラストが描ける訳じゃないです。私の中では、ほんと「辞書」です。
さて、『Illustrator Japan Method』の話に戻ります。
最初はとてもシンプルなモチーフからスタートします。ファイルの新規作成方法やツールの使い方など、丁寧な解説つきで。
本の通りに、一つ一つ進めて行くことをおすすめします。
なぜなら、最初は丁寧な解説があったのが、後半に行くにつれ、シンプル解説になるから。
これまでやってきたことを踏まえて応用で別のモチーフを作る、という構成が多いので、飛ばしてしまうと結構苦労します。一見シンプルに見えるモチーフでも。
和のモチーフは、ストックイラストをやるなら作っておいて損はないと思うんですよね。
年賀状、節分、ひな祭り、入学&卒業、こどもの日、七夕、夏祭り、十五夜、紅葉、寒中見舞い…
日本の伝統行事に和柄は欠かせないから。
一つの単元が終わる毎に和のモチーフが増えていくので、今後の素材作りに絶対に役立つはず。
アピアランスを多用してイラレの機能を教えてくれる
この本を買うまで、「アピアランス」というものがイマイチ分かっておりませんでした。
イラレって、とにかく図形を組み合わせていくものだよね?という認識でしかなかった。
が、この本、とにかく「アピアランス」をいっぱい使う。
お陰様で「アピアランス」がどういうものか、なぜ「アピアランス」を使うといいのか?が分かりました。
と言ってもこの本に「アピアランス」自体の解説がある訳じゃないです。実際にどんどん使って体で覚えろ、的な感じです(笑)
Adobeの公式ヘルプには次のような解説があります。
アピアランス属性は、基本構造を変更せずにオブジェクトの外観にのみ作用するプロパティです。 アピアランス属性には、塗り、線、透明度および効果があります。 オブジェクトにアピアランス属性を適用した後、その属性を編集または削除した場合でも、基本となるオブジェクトや、そのオブジェクトに適用されている他の属性は変更されません。
Illustrator のアピアランス属性を調整する方法
まあ文章より動画の方が分かりやすいよね。例えばこういう事です。↓
アピアランスを使うとパスが少なくて済む。後からの編集がラク。ということが分かったんです。
イラレを使いこなしている方からすれば、何を今更・・・って感じかもしれませんが、私にとっては目から鱗でした(^^;
本を順番に進めて行くと、複数のアピアランスを重ねて複雑なモチーフも作っていきます。
敢えて色んなアピアランスの効果を使いながら、イラレでどんなことができるのか紹介してくれているように思いました。
途中でいきなり難易度が上がる
これ、最初は本当にサクサク作って行けるんです。面倒臭がらず本を丁寧に読めば、誰でも上手く行きます。
途中までは。(笑)
「角宝結び」というモチーフで、大苦戦しました・・・。
パスの切断と連結を根気強く繰り返すと、紐の結び目のような複雑な重なりも表現できます。
Illustrator Japan Method
ほんと大変だったよ!!「根気強く繰り返す」ってほんとだよ!!( ;∀;)
これを乗り越えるとまた少し楽になりますが、ちょいちょい心折れそうなモチーフが登場するのが難点です(笑)
CS5~CC2014対応なので最新バージョンとはかなり差がある
この記事を書いている時点で、イラレは既にCC2020になっています。
なので、ところどころ違う所があるんですよね。
こういう所とか。大きな問題ではないけど、最初はちょっと戸惑ったので。
この本、基本的に「どこにそのボタンがあるか」という説明がないので、ツールの位置がそもそもよく分かってないと最初はつらいかもしれません。
その都度ネットで調べたり、入門書を1冊持っておいてもいいかもしれません。
できれば、実際に本屋さんに行って手に取ってみた方がいいです。本って相性があるから。
古い本だけど、基礎を学びながら素材作りができる良書です(最後に)
もっと早く買えばよかった(笑)この本は非常に良かったです。
長所としては、
- 実践から入って、実際に使える和素材を作りながら基本操作を学べる
- 実用的なアピランスをザっと学べる
短所としては、
- 途中でいきなり難易度があがるので心が折れそうになる
- 情報が古い
こんな感じかな。
和の素材を作りながらゴリゴリIllustratorを学びたい方には大変お勧めの一冊です。
ご興味があればぜひ。